人材育成について

GAPは産官学の協同プロジェクトですから、産・官・学それぞれの社会的活動の目的に即した目標とスタンスがあります。
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しかし、目標としてもスタンスとしても、それぞれに共通する思い「人材育成」にあります。もちろん、それは「ゲーム業界で即戦力になるクリエイター」といった狭いイメージではありません。
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ゲーム産業を含めたマルチメディア産業を振興するためには、直接現場での製作に携わるクリエーターだけでなく、資金計画から人材配置まで全体的な構想を組み立てるプロデューサーや、総合的なプランニングを担当するプランナー、プランのフィージビリティを踏まえた上でマネジメントを遂行するマネジャー、など多様なタイプの人材を育成する必要があります。
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また、産業全体を考えた場合は、新しい事業を興していくアントレプレナー、ベンチャーキャピタリスト等、裾野の広い人材層が必要になってくるでしょう。
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また、テレビゲームがこれほどの社会的広がりと影響を持つようになれば、当然のこととしてアカデミックな研究対象として認知されることになります。その関連領域は、社会科学にとどまらず、心理学や社会学的、あるいはシュミレーションなどの情報科学などにも展開していくことが予想されます。本プロジェクトにおける人材育成は、これらの学問的研究に寄与しうる研究者も対象としています。
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このような、中長期的で幅と奥行きの深い人材育成に際しては様々な教育システムが必要となりますが、そうした教育システムのバックボーンとしてはゲームに関する知的リソースだけでは不十分です。
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大学に代表されるような、哲学や歴史を含む奥の深い知的リソースが必要になるはずだと考えています。ここに、GAPが大学を含む産官学のコラボレーションで進められていくべき必然性があります。
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私たちが構築しようとしているゲームアーカイブは、ゲームに関する総合的な知的リソースですが、このような深い知的リソースと結合してはじめてその十分な活用を期待できるものになると考えています。